画像多め【美祢線廃線かも】運休が続く美祢線全駅の復旧は?
2024年8月5日に、運休中のJR美祢線の様子を見てきました。
JR美祢線は、2023年6月の大雨による橋梁の被害や路盤の流失により長期間運休中です。復旧に向けた自治体とJR西日本による検討が続いています。
JRの線路や橋だけではなく、厚狭川の河川改修にも関わってくる問題なので、全線復旧には長期間かかる見通しです。利用者も少ない状態が続いているので、このまま廃線になるかもしれません。
駅舎や駅名看板など記録に残しておきたいので、夏の暑い中、写真を撮りに行ってきました。
2023年6月の美祢豪雨災害の概要
美祢線運休の原因となったのは、2023年6月30日から7月1日に発生した局地的な豪雨によるものです。
気象庁のデータによると、美祢市の東厚保(ひがしあつ)に設置されているアメダスの雨量計では、6月30日の夜12時台に61mm、7月1日の深夜1時台に50mmの雨量が観測されています。
1日の雨量では、東厚保で6/30に174mm、7/1に121mmの雨が観測されています。東厚保は、JR美祢線の四郎ヶ原駅付近の地名です。
この大雨により、厚狭川流域で床上浸水などの被害が発生。美祢線の橋梁損傷、盛土流失など80箇所で被害が確認されています。
美祢線は、2023年7月1日から全線で運転を見合わせたまま、運休が続いています。
代行バスが継続中
そんな美祢線ですが、代行バスの運行が続いています。厚狭駅から長門市駅までのほぼ各駅に停車します。
湯ノ峠(ゆのとう)駅だけは、厚狭駅からタクシーでの代行となっています。
便数は、1時間30分に1本程度の運行状況。JR美祢線の運行間隔が1時間に1本、昼間の時間帯によっては2時間に1本の運転なので、やや不便になっているかもしれません。
現行では、バスでの代替が可能な状況と言っていいのかもしれません。
美祢線の駅一覧
そんな美祢線の各駅は、現在列車が走っていません。で、電車と言いたいところですが、美祢線の車両はディーゼルのみ。汽車か列車と書くのが正しいのではないかと。
美祢線は、2024年に全線開通100周年を迎えています。1924年に厚狭から長門市駅まで開業。現在の形になったようです。
美祢線には、以下の12駅あります。
- 厚狭駅
- 湯ノ峠駅
- 厚保駅
- 四郎ヶ原駅
- 南大嶺駅
- 美祢駅
- 重安駅
- 於福駅
- 渋木駅
- 長門湯本駅
- 板持駅
- 長門市駅
2024年8月現在の駅の様子を写真に記録してきました。
厚狭駅(あさ)
美祢線の始発駅。山陽新幹線も停車する駅です。1900年に開業した駅です。現在の北口の駅舎は1959年に建てられたコンクリート造り。
▶厚狭駅北口の写真。美祢線の代行バスは、北口発着です。
▶厚狭駅北口の改札口の写真。タッチ式の自動改札です。
▶厚狭駅の切符売り場の写真。新幹線切符も買える緑の券売機と通常の券売機。
ちなみに、厚狭駅の北口と南口の駅構内の通り抜けには、入場券150円が必要です。駅外側をぐるりと歩いて北口から南口まで行くのは徒歩20分近くかかります。
▶北口には待合スペースとセブンイレブンキヨスクあり。待合スペースにはエアコンはありません。
湯ノ峠駅(ゆのとう)
厚狭駅から車で約10分、湯ノ峠駅へ到着です。1921年開業の駅です。築年数は不明ですが、木造のかなり古そうに見える駅舎。無人駅です。「ゆのとうげ」ではなく「ゆのとう」駅です。
入口に土嚢袋が積んであるので、このあたりも浸水したんでしょうか。
何十年も使われていない窓口もそのままです。
線路には草が生い茂っていました。
湯ノ峠駅の駅名看板も自然に飲み込まれつつあります。
近くの立石(たていし)踏切では線路が草で見えないです。
厚保駅(あつ)
湯ノ峠駅から車で15分程度。山の中に県道を抜けて厚保駅に到着。「あつほ」と読んでしまいそうですが、「あつ」が正解。1905年(明治38年)開業の駅です。現在の駅舎は築年数不明ですが、古い木造駅舎。無人駅です。
駅前には、駅名の由来の看板があります。
駅舎には、厚保地域交流ステーションも併設されています。会議室のほか、休憩としての利用もできるみたいです。利用時間8:30-22:00まで。
改札口から駅名看板を撮影。
駅構内は線路もホームも草刈りがされているみたいです。
駅から徒歩5分程度の沖田(おきた)踏切では、線路も草ボーボーです。
四郎ヶ原駅(しろうがはら)
厚保駅から車で10分程度で、四郎ヶ原駅に到着。1905年開業の駅です。現在の駅舎は古い木造。無人駅です。
四郎ヶ原駅の名前の由来は、江戸時代に近くにあった宿場の名称らしいです。
待合室には椅子があります。定期的に掃除されているみたいです。
四郎ヶ原駅の駅名看板は草木に覆われて、そろそろ見えなくなりそうです。
南大嶺駅(みなみおおみね)
南大嶺駅に移動中に路盤に流失が見える場所がありました。
田んぼの向こう側で線路が波打っている状態。このあたりは復旧は手付かずです。
踏切の遮断器も崩落していました。
大沖(おおおき)第2踏切付近では、豪雨で被害を受けた瓦礫も橋も線路もそのままです。
美祢線には平行して立派な県道33号線も走っています。
寄り道しながら南大嶺駅へ到着。1905年開業の駅です。開業当初は、付近の地名から伊佐(いさ)駅となっていました。1949年に南大嶺駅に改称されたようです。
現在の駅舎は、築年数不明のコンクリート造り。
南大嶺駅の待合スペース。改札口はなし。
南大嶺駅の駅名看板です。このあたりは豪雨の被害はほとんどないみたいです。
美祢駅(みね)
南大嶺駅から車で15分で美祢駅に到着。立派なコンクリート造りの駅です。無人駅。
現在の駅舎は築年数不明ですが、コンクリート造り。
駅前には、近くで算出される石灰岩で作られたと思われる公園があります。
かつては石炭や石灰石の輸送に利用されていた美祢駅の駅構内。かなり広いです。
美祢線全線開通100周年の横断幕がいたるところにありました。
重安駅(しげやす)
美祢駅から車で10分、重安駅に到着。築年数不明ですが、木造の駅舎。無人駅です。
この駅名の書体、すごいな。
待合室の木造ベンチ。きれいに掃除されています。
使われることのなくなった改札口。線路には草が生えています。
かつては石灰石の輸送で貨物列車が運用されていた重安駅。線路も複数残っています。
重安駅の駅名看板です。
重安駅の駅名の由来ですが、…はっきりしてないみたいです。
代行バスが駅前に停車していました。
於福駅(おふく)
重安駅から車で15分程度、於福駅に到着です。木造の駅舎ですが、瓦は比較的新しく見えました。
駅舎には、於福地域交流ステーションが併設されています。
駅舎内では、鉄道写真の展示がありました。
於福駅の駅名看板
近くの陸橋から於福駅の構内を撮影。
渋木駅(しぶき)
於福駅から車で20分、渋木駅へ。こちらも古い木造駅舎です。1924年開業の駅。現在の駅舎は築年数不明の木造です。
この駅の造り、かなりの年代物みたいです。
渋木駅の待合室と改札口。
渋木駅の駅名看板。駅構内はかなり草刈りがされていてきれいになっています。
渋木駅構内の線路の車止めと給水塔。
長門湯本駅(ながとゆもと)
渋木駅から車で10分、長門湯本駅へ到着。温泉街の駅です。木造の駅舎ですが、外観はかなり改修されてきれいになっています。築年数不明。無人駅。
駅のホームも改札周辺もきれいにされています。温泉街なので、列車で来るお客さんも多いんでしょうかね。
美祢線の待合室の中では、ダントツに立派。
かつては温泉街の入口で賑わっていたはずの駅前。ちなみに写真のふじた商店さんは、かつては切符の販売もされていたそうです。
駅前のバス停を見てびっくり。サンデン交通が下関駅まで直通のバスを走らせているんですね。地図でルート検索してみると約65km。長い路線です。
板持駅(いたもち)
長門湯本駅から車で15分程度、国道316号線から少し入ったところに板持駅があります。ホームと簡易駅舎のみの小さい駅です。1985年開業の無人駅。
いわゆる無人駅と聞いて一番最初に想像できるタイプのホームだけある駅です。
駅舎というか日除けというか、こういうタイプの駅、好きですね。
板持駅の駅名看板。そろそろ草に覆われ始めています。
長門湯本駅方向の線路を撮影。線路も草ボーボーです。
長門市駅(ながとし)
板持駅から車で15分、長門市駅に到着です。山陰線の駅でもあるので立派な駅舎。ここで美祢線は終点です。
長門市駅の改札口。美祢線は運休ですが、山陰線は運転中。待合室にも人が多かったです。
山陰線の人丸駅と滝部駅の区間は、豪雨災害による橋梁損傷のため代行バスによる輸送が続いています。
山陰線の粟野川橋梁を含む不通区間については、2024年3月に発表された資料では、JR西日本による工事で復旧させる見通しらしいです。
2024年以降の美祢線存続の見通しは?
さて、今回は2024年8月現在の美祢線の復旧状況と駅舎の写真をご紹介しました。
▶湯ノ峠駅付近の厚狭川。普段の流れとは違って大雨の時にはこのガードレールまで水が来たみたいです
2023年6月の豪雨被害から1年が経過しています。美祢線については、JR西日本の単独での復旧は困難という見解らしいです。
2010年にも美祢線は厚狭川の氾濫による水害で線路が流失するなどの被害が発生しているため、今後は地元の自治体を含めた議論が必要みたいです。
厚狭川の水害対策も合わせて考えるとなると、2級河川の厚狭川は山口県が管理しているため、山口県との協議の必要もあります。
ただ、今回沿線を見てきた限りでは、厚狭川の河川の改修などは部分的にしか見ることができませんでした。厚狭川の氾濫対策が進まない限りは、JRも復旧させることは難しいようです。
美祢線の利用者も減少しているとなると、山陽小野田市、美祢市、長門市など自治体による沿線利用促進対策も必要となってきます。
JR美祢線利用促進協議会という組織もありますが、残念ながら利用を促進できる方法というのはあまりなく、旅行者や通勤での利用を増やしていくのが一番いい方法なのでしょうが、田舎の鉄道は不便なので、よほどの鉄道好きな方でなければ美祢線にわざわざ乗りに来ることもないのではないかと思います。
2024年現在、今のところ美祢線の復旧はほぼ手つかず、廃線まっしぐらの雰囲気濃厚です。
なんとなく美祢線、このままバス転換で廃線になりそうな気配です。復旧無理そうです。